フリーランスの収入分散について、僕自身の経験から述べた前回のエントリは、さまざまな方に読んでいただけました。今回はその続きとして、僕が実際にハマッた2つの落とし穴を紹介します。
収入源の偏りと支払いサイトの違いに注意!
前回書いたように、僕は複数の出版社や制作会社さんから仕事をいただくようにすることで、
収入源を分散してリスクを低減しました。そこまではよかったものの、お約束のように、次の2つの落とし穴にズボッといってしまったのでした。
- 特定の取引先に大きく依存してしまった
たとえば月トータルで40万円の収入を取引先4社から得ると仮定した場合、10万円ずつ4社ではなく、30万円を1社 + 10万円を残り3社といったように、収入源が大きく偏った体制にしてしまうことです。かたちの上では分散化されていますが、実質はほとんどリスク分散になっていませんね。わかっちゃいるけど、ついつい大口の取引先に重きを置いてしまいました。案の定、その大口1社からの収入がリーマンショックで一気に半減してプギャー。今では、なるべく偏りを減らすように心がけてはいるのですけど、どうしても大口に目が向きがちでして・・・反省。
- 支払いサイトの違いを考慮していなかった
納品してから実際にギャラが振り込まれるまでの期間は、取引先によってまちまちです。翌々月末には振り込んでくれるありがたい取引先もあれば、半年近く要してしまう取引先もあります。そのため、たとえ売上はそれなりに立っていても、手元の現金がさみしくなる月がどうしても生じてしまうわけです。年トータルで見れば問題ないとはいえ、初めてそのような状態に陥った月はかなり慌ててしまい、精神衛生上よろしくありません。これまでの経験上、大きい案件ほどギャラ振り込みまでの期間が長いですね。
今思い返せば、どちらも 初歩的な落とし穴であり、ビジネスパーソンにとって常識であり、いちフリーランスの体験としてわざわざ書くのも大変恥ずかしいのですが、 実際に痛い目に遭うまでは気づかないものですね。
フリーランスも持続可能性が大切
前回のエントリとともに、少々ネガなトーンになってしまいました。あまり脅してるように思われるのもアレなので一言。確かに、さらなる安定化や収入アップは難しいかもしれませんが、それでも分散化のおかげもあってか、家族4人ちゃんと普通に食べていけるだけの稼ぎは、ここ10年は継続的に達成できています。 もちろん、取引先の皆さまや友人、先輩・後輩といった多くの方々に日々助けていただけているからこそですよ、いや、きれい事じゃなくて、まじめな話。
やはりフリーランスも企業や社会と同じく、持続可能性が大切だと僕は考えています。その実現のための手段のひとつが分散化なのです。
【5/10追記】
良記事なので、リンクを張らせていただきます。
フリーのweb屋な人が、見積や注文書、請求書を発行する際の注意点。